2016年の最多退場はブルージェイズ監督の8度。5月は5試合で3度の退場

トロント・ブルージェイズジョン・ギボンズ監督は、2016年に8度の退場を宣告された。これは、ピッツバーグ・パイレーツクリント・ハードル監督より2度多く、選手やコーチを含めてもトップだ。

なかでも、ギボンズは5月15日から22日にかけて、審判から退場を連発された。

幕開けは、ルーグネッド・オドーアテキサス・レンジャーズ)がホゼ・バティスタの顔面にパンチを見舞った、あの試合だ。もっとも、8回表に騒ぎが起きた時、ギボンズはすでに退場させられていた。3回裏に捕手のラッセル・マーティンがボールの判定に抗議した際、ギボンズはダグアウトから走り出てゆき、マーティンの“身代わり”になった。

翌日は、対戦相手も球審も違ったが、原因は同じく投球の判定だった。トロイ・トゥロウィツキが見逃し三振を喫すると、ギボンズはダグアウトから球審に向かって声を上げ、退場を宣告された。

その6日後にも、ギボンズは退場となった。5回表、フィル・ヒューズミネソタ・ツインズ)がジョシュ・ドナルドソンに投じた初球は、腰に向かっていった。そして、2球目はドナルドソンの尻の後ろを通った。ドナルドソンは前日の試合で、ツインズのダグアウトから発せられた言葉に言い返し、この試合では1打席目にホームランを打っていた。しかも、ヒューズはコントロールの良い投手だ。当然、ギボンズはダグアウトから出て……続きは言うまでもない。

ブルージェイズは5月15~22日に8試合を行ったが、ギボンズの退場は5試合で3度だ。17~19日の3試合は、ギボンズではなく、ベンチコーチデマーロ・ヘイルが指揮を執った。15日にバティスタが殴られた直後、ギボンズは退場になっていたにもかかわらず、選手やコーチとともにフィールドに出ていった――モニターで試合の状況を追っていたのだろう――ため、3試合の停止と罰金5000ドルを科された。

一方、退場ゼロの監督は2人いた。フレディ・ゴンザレスアトランタ・ブレーブス)とダスティ・ベイカーワシントン・ナショナルズ)だ。ゴンザレスは5月半ばに解雇されたが、ベイカーはシーズンを全うした。ゴンザレスは11月に、マイアミ・マーリンズの三塁コーチに就任した。

選手に限ると、こちらもブルージェイズのドナルドソンが最も多く、ユネル・エスコバー(ロサンゼルス・エンジェルス)と並ぶ、3度の退場を宣告された。

 

宇根夏樹  | フリーランス・ライター